RoppongiExpress

Roppongi Express 2.0 - いつかは世界チャンピオンに

全日本選手権ロードレース

ロードレースの日本一を決める大会。
このレースで勝った者は一年間日本チャンピオンとして崇められて、後世にも語り継がれる。と思う。


と、新幹線の中でブログ書いてたらBEERこぼした。くらいに酔っ払ってる(た)。


ぐっすり眠れた土曜とは一転、レース前は緊張感からか、3時間おきに起きてしまう。
1時と3時に起きて、4:30にも起きたので、観念。ストレッチしながら前日に仕込んだシリアルを食べる。
そしてコーヒーを飲んで、6時前には出発。
今回サポートで来てくれている同宿の福田さんと一緒にレース会場へ。


6:30には到着。

着替える。
軽くウォーミングアップ。
くらいしかやることはないので比較的焦らない。
とは言え、緊張感からかそんなにのんびりという感じではなく、あっという間だが。


スタート時間は8時。予報では気温23℃くらい。寒くなることはないが暑い日になるかは雲行き次第。
スタート時はそこまで厚くないので半袖のロードワンピの上から長袖ジャージを着てスタート。


今回のレースに限らず、超スロースターターな私は序盤が一番の鬼門。
とは言えホビーレースだったら完全に着いていけないくらいに速くなる事もそうないけど、プロのレースでいきなり全開にペースが上がったら着いていけない事は明らか。
今回超厳しいコースを210km走るので序盤からいきなりそんなに全開でいくシナリオは考えにくいが、とはいえのんびり出来ないので15分くらいウォーミングアップとして脚を回しておく。

レーススタート!っていってもしばらくはパレード走行。
平地を走り下りを終えて、いざ上り!
一つ目の上りを集中して走ってなんとか無事耐えて走った、と思ったらまだ先導車がいて赤旗。
あれ?!まだパレードだったの?ってほど速く感じた。

リアルスタート切ってからもペースはそこそこ。
1周+260mのコースを15周なので序盤からガンガン行く雰囲気でのないし、そういう人がいてもまぁ最後までは続かないので比較的安定的に進行している。

が、1周目の下りの一番速度が出る場所で落車。
私はそんなに後ろの方で走っていたわけではないが比較的前方での落車。
60km/h出ていただろうって場所での落車が目の前で。
けど意外なほど冷静に前で転がっている自転車を避けるルートを見極めて、間一髪路肩ギリギリ通ってすり抜けた。
自分は間一髪すり抜けたけど、万一こんなのに巻き込まれていたらたまんないよな。
強豪選手も何人か巻き込まれてリタイアとか骨折とかしてたけど、ホビーレーサーがこんなの食らったら多分引退勧告だろうな。

そんなアクシデントは切り抜けたけど、その遅れを取り戻すべくの次の上りはキツかった。
先頭は普通に上っているだけど、落車の影響でブレーキしている集団はその分追いつくべく頑張らねばいけない。
ただでさえ序盤しんどいのに余計に踏まなければいけないので、キビシイ。
なんとかそこは切り抜ける。


序盤が鬼門の私。なんとか千切れずに乗り越えられればと祈りながら走る。

今回はなんとかそこまで序盤にえげつないペースアップがなかったので耐えられた。

本コースは1周(公称)14kmできつい上りが2つ。2つの上りの前はハイスピードな下りがある。
より細かく言えば、1つ目の下りはキツイヘアピンカーブが2つあり、2つ目の下りは超ハイスピードの緩いコーナー。
で、2回とも下り終えてすぐに上り区間が始まる。
上り口を先頭で入れば上り区間を優位に走ることが出来るので、フミは必ず下り前で先頭付近まで上がって下りを先頭で走り上り口を先頭で入っていた。
上りで仕掛けるならそのまま上げれば、追走は後ろから追い上げるので無駄に脚を使うし、平穏に上りを走るにしても先頭で突っ込んだ分余裕を持って走れる。
その代償としての下りの突っ込みはまったく脚を使わないし、むしろ先頭で下ることによる落車回避のメリットもあるので、全くもって合理的な走り。
私もそのポターンに乗って、だいたい5番手あたりで下りをこなす。
グランプリTT23Cのタイヤは全く不安感なく下りを走れた。

↑260mx15周というコース設定の為、単騎の逃げが生じても泳がせて自爆するのを待つのみ、という雰囲気があり、集団は落ち着いている。
中盤に落ち着いて後半に勝負がかかるというまさに私向きのレース展開に。


そんな感じで10周目まで平穏無事にレースが進む。

11周目。レースが動く。一つ目の上りでペースが上がり、そこで私は全く対応できず。
そんなに脚を使っていたつもりではなかったが、3.5時間ほど走っているなかで自分が思い描くのとは程遠いくらい消耗していた。
ライバルの森本さんも遠くに見送りつつ遅れる。


それでもなんとか完走を目指そうと諦めずに走り続けるしかない。残り周回と完走猶予のタイム差を考えたりしながら、走る。
そしたらなんとフミが抜いてきた。そう言えば前に居なかったから、調子悪くて降りたのかなと思っていたが、まだ走っていた。
しかも千切れた私の後ろに。
ジャージが破けたりしてないし、ホイールが交換されているでもない。
『どうしたの?』と聞いたら『今日は調子悪いっす』と。
なんか意外。フミくらいの選手だったら調子悪くてこんな位置走っていたら降りるなじゃないかと思うけど、まだひたすらに前を追って走っていた。まだ残り50km近くある。
それに乗って私も頑張る。残り4周でスローダウンしたら完走はキツイなと思っていたところなので、フミの登場で助かった。

俄然力強いペースで牽引してもらっていたら、なんとチームカーの隊列に追いついて、それを縫って走り第二集団に追いついた!
ロードレースは奥深く、わからないものだ。
とは言え、私は完全に脚が終わっているので上りで走れる脚はなく、Nippoとかフミとか他も居る集団と一緒に上る事は出来ずに、千切れる。

再び単独になり我慢の走り。ラスト3の周だったと思う。


完走したい。その思いは強かった。1.5日の有給取って、家族に迷惑かけて青森まで来て、リタイアは悲しい。
完走すれば来年の全日本選手権の資格が取れる。
このコースでは完走すれば、アマチュアとしてはそれなりの力として認められるだろう。
何としてでも最後まで走って完走したい。その思いが強い中ラスト2周を走っていた。
たしかトップ+5%くらいがカットオフだったと思うから、トップが5時間だとしても+15分か。それなら絶対OKだ。
とは言えそれで安心して流すのではなく、最後まで油断せずに走る。
沿道の声援で20番手以内を走っているだろう事を知る。


ラスト1周に入った時に『森本前にいるぞ』みたいな声援が聞こえた。
コレは大きい。ライバルで、(一応)非プロレーサーとして一緒に戦っている森本さんが前に居る。
これは目標にしない手はない。
確かにもう15秒ほど前に緑青のジャージが見える。
それを目標に走ると、なぜかかなり元気が出てスピードが上がる。
平地で徐々に目標との差を詰めていく。
平地区間の左コーナーでほぼ追いつく。しかし、森本さんは私が迫っていることに気付いていない。
追いつきざまにアタックして、平地であえてかなりの速度差をつけて抜かしていく。
後ろを見ると距離は開いているので、下りでも差を縮められないように飛ばす。
そんな努力もあって森本さんを突き放すのには成功。
その副産物として、上りで前に選手が見えてきた。
一つ目の上りでLEOMOの横塚君をパス。
その後にUKYO平塚選手をパス。
ブリッツェン鈴木譲選手とシマノ秋丸選手にも追いつく。
ラスト3では完全に死に体で完走もどうかと思っていたけど、ラスト1で生き返った。

2つ目の上り、最後の上りブリ譲選手と秋丸選手と入る。
牽制とかアタック合戦とか好まないので、自分のペースで行くしかない。
それで単独になれば良いけど、なったらなったでそこからの微妙なアップダウンと最後3kmのハイスピード区間を一人で走れるかって疑問もあり。
あえて後ろを見ないで最後の力を振り絞りグイグイ上る。頂上でも譲選手と秋丸選手は離れない。
これで最後まで3人でいくことが決定。なんとか完走は出来そうだ。
脚を攣ることもなく途中で千切れながらも最後のゴールまで辿り着けた多少の安堵感。
とともに、1つでも順位を上げたいと思ったのでプロ相手に最後は全力でもがこうと決意。
譲選手とかJPTのゴール勝負で勝つこともあるくらいなので先着出来る可能性は0%だけど。

ラスト1km、500mの看板を過ぎてゴールが近づいてくる。ゴール前の上りに差し掛かりスプリント体勢に入る。
そしたら、譲選手が先行っていいよ、って合図してスプリントはしない宣言をしてくれた。トッププロだからチームの為に脚を使い、勝負のかからないところでゴールするのに順位を1つ上げるインセンティブは全くない。
ありがたい事だ。

ゴールまで力を出し尽くしてもがく。
そしたら、前方にNippoの選手が流して走っている。同様に順位を気にするような事もなく後ろを振り返るでもない。
諦めないで走っていると良い事もあるもんだ。
ゴールライン10m手前くらいで追いついて、追い越してまた1つ順位を上げてゴール。

結果は14位。
リザルト→http://nationalchampionships-road.com/wp-content/uploads/downloads/2017/06/Com34_35.pdf

結果だけ見たら、2010年に12位になって以来の成績。
けどラスト50kmくらい残して集団から遅れているし、トップから8分以上離れているので内容的にはあまり誇れるものではない。
アマチュアサイクリストとして頑張ってはみたけど、勝負所でも遅れないどころかその後にアタックして逃げるなど確実に勝負出来ていた森本さんには完全に負けていた。

というわけで、100%満足の内容ではない。
けど、正直走りきれて、10位台のリザルト残せて安堵の気持ちも大きい。


ゴール後。


データ: 14km x 15, 5’54”05, Ave 204W / NP 251W, 144/173bpm, 80rpm, Eff 44.9%, L 52.9-R47.1%, Dancing 24.7%



帰りは温泉入ってレンタカー返してから八戸市内の焼肉屋で打ち上げ。青森県産牛と美味しいフランスワインで気持ちよく打ち上げで飲み食い出来たのは最高だった。


大きなレースが終わった。けど2週間後にニセコクラシックが控えている。
ちょっと色々あって、そこでちゃんと走れる状態を作れるだろうか。