RoppongiExpress

Roppongi Express 2.0 - いつかは世界チャンピオンに

 2008 ツールドおきなわ 市民200km レースレポート

■ スタートまで ■

4:15起床。スタート時間は7時なので、セオリー通り3時間前に食事を済ませ、、、なら遅すぎる時間だが、あまりにも早く起きてリズムを崩したくないのと200kmのレースなので3時間前にきっちり食べ終えている必要もないので、ちょっとでも長めに寝ておこうと思い目覚ましを4:15に設定。


起きたら予報通り雨。かなりの本降りでまったくやむ気配なし。


ところで前夜は10時前には就寝したにもかかわらずなかなか寝付けずしかも途中2時頃に目が覚めたりして、久しぶりにレースに緊張してよく眠れなかった。


起床後はストレッチをして補給食を作りながらシリアルの朝食。
シリアルを入れるボウルもスプーンも特に用意していないが、ホテルだからフロントに頼めば何とかなるだろうと思っていたが、『ありません』という返事。まぁ3泊4日・航空券・朝食券・レンタカー付きで5万円だから多くを期待してはいけないか。


ホテルを出たのは5:30。最近すべてにおいて予定よりも時間が遅れがち。いかんいかん。


昨年と同じ駐車場に車を停めて自転車を組み着替えてアップクリームを塗る。
ホイールはさすがに朝から雨が激しいのでLightweightはやめておいて、ZIPPでいくことにした。
悪天候によりアルミホイールを使用する選手が多数いたが、このコースではブレーキングの場面が多くないためブレーキの制動力はそんなに考慮する点ではないと思い、一応持っていったR-SYSは使わず。けど落車に巻き込まれるリスクは多少高いのでLightweightはもったいないと思いZIPPを使用。
ZIPPホイールにCORIMAのブレーキシューで、このコースなら制動力に全く問題なし。


スタート前にゴローさんから粘度の高いオイルをもらいチェーンに塗ってもらい雨の長丁場に備える。


スタートラインではミーハーに片山右京さんとのツーショットを撮ってもらう。



■ 市民200km レース ■
2位: 5時間29分58秒、231.9W、151.5拍、82.4回転

落車を避けるためにスタート後から前方に位置する。常に先頭から20番手くらいにはポジショニング。
チョイ逃げはあるものの、今年も本格的な逃げはもはや毎年恒例となった真下選手(アクアタマ)の動き。
4名ほどで逃げがきまる。逃げ集団ができていない集団の方が逃げたい方々が活発に動き危険なので、とりあえず逃げを容認して集団の沈静化を図る。
決まりかけたところで昨年130km優勝のよっしー(敬称略)が単独で追走。ここも容認。
そうこうしてるうちに本格的な逃げ集団と後ろの大集団という構図で落ち着く。悪天候のせいもあるのか、昨年よりもだいぶ落ち着いた状態で進行する。


半島を廻り北上する国道に出て、これも例年通りの強風の中もまったりモード。おかげで長袖ジャージを着ていたのに身体が震えてきた。
この海岸線で白石選手(シマノドリンキング)から『高岡さん逃げましょうよぅ』と誘われてちょっとアタックしたり、集団から抜け出した西谷選手(オーベスト)に合流してみたりしたけど、例年通りここでは決定打にならない。
まった〜りして、ガタガタ身体を震わせながら1回目の普久川ダムの上りに突入。


この時点で、先頭4名と約2分30秒、大集団の前に白石選手とゴローさんともう1名が10秒ほど先行、という構図。
メイン集団が(これも例年通りだが)あまりにもまったりしていたので、先頭とは4分くらい差が開いたかなと思ったが、思ったほど開いてなかった。人数・タイムを考えるとまったく焦りはなし。


例年通り普久川ダムの上りから本格的に速くなる。
緩斜面を挟みながら上る峠ではスピードが落ちない。やはり後半は西谷選手がぐいぐいハイペースを作り集団を小さくしていく。
身長の高い昨年3位の武末選手は快調そうについていく。
乗鞍3位の鵜沢選手(セオサイクル)もくるくる高回転で余裕ありそう。
朝練仲間の井上さん(シナジー)もがんばってついている。この1年間で確実に実力がついている。
私も昨年よりはやや余裕があって(っていっても昨年が100%で今年が95%という程度の差だが)離れずについていく。
山岳賞前で10名ほど。と五郎さんが後ろから教えてくれる。
ただその後のちょっとした下りで後ろからもたくさん追いつき、頂上過ぎには大集団。これも例年通り。


先頭集団はちょうど1回目の普久川ダムの頂上で吸収。なぜか真下さんが逃げ始めた場所も捕まった場所も昨年とまったく同じ。


下りに入ったところ(78km地点くらい)で集団は一息ついたところで私がちょっと先頭にでた。
そこで真下選手が『今度は高岡の一人逃げだ〜』みたいなことを冗談っぽく言ったので、私もシャレのつもりで4漕ぎ5漕ぎして飛び出す。誰も追ってこない。10漕ぎ15漕ぎする。誰も追ってこない。ちょっと真面目に踏んで飛び出してみる。
アップダウンと緩いコーナーが連続しながら下る区間なのでほどなくして集団が見えなくなる。せっかくだからしばらく踏んでハイペースを維持する。そうこうしているうちに先頭4名からただ一人残って粘っていたよっしーと合流。“平地の速いヒルクライマー”のよっしーと合流できたのも好都合と思い、いけるところまで行ってみる。
一か八かで勝負に出たわけではないが、自分で飛び出したからには自然と集団に戻るのはカッコ悪いしもったいない。さすがに今年は私もノーマークの選手ではないはずなので誰かが協調して逃げができればそれはそれで面白い。っていうか、そうしてくれないと独走でゴールまで100km超はムリだろ。。。


既に50km以上逃げ集団に乗っていたよっしーはさすがにきつそうだから後半までお供してくれそうではなかったが、せめてダムの上り口までは協力してくれれば、と思って走っていたが、やはり上りでペースが合わないので独走になってしまった。


後ろの集団とはびっくりするくらいすぐに2分以上の差がついた。残り距離を考えると2分というのは全然大きくないが、決して小さくもない差なのでとりあえず自分の持続可能な速度域で巡航してみる。
後で聞いてみると私のチームメイトである五郎さんと畑中君が集団を抑えて、逃げの動きをチェックしてくれていたらしい。なるほど、そうでもなきゃすぐに2分も開かないだろう。
ありがたいチームメイトのサポートもありとりあえず『先頭1名−2分半−大集団』という構図が出来上がったので、がんばってみる。



2回目の普久川ダムの上りは8km、303W、171.2拍という感じ。昨年の集団がバラバラになった2回目の上りのスピードを考えると、ここで捕まってもおかしくないと思っていた。
しかし2回目の補給所を過ぎて長い下りを終えて、正念場のアップダウン区間になってもまだ2分半。
その頃移動審判車からの情報では後続5名と2分半程度。大集団とは4分程度とのこと。


あとで聞いた話では、2度目の普久川ダム上りの手前にあるトンネルで大落車があり、そこでほぼ全員滑って転んだらしい。そういえば雨の2003年も全く同様のことが起きていたらしい。
後続5名というのはその落車を免れた選手だったと。そこに西谷選手も含まれていたらしいが、移動審判車のホワイトボードに西谷選手のゼッケンはなかったよな…


後ろの大惨事も私には味方してしばらく2分半の差が縮まらない。私はここまで独走が長くなってくるともう何も難しいことは考えずひたすら自分のペースで走り続けるだけ。
東村のスプリントポイントも過ぎたあたりで後ろとの差が突然1分30秒に。しかも追走は2名で西谷選手が含まれている!!
ついに来たか、と思い今一度気を引き締めてペースを上げる(気持ちだけ)。
後続は他カテゴリーも混走していて、審判車も状況がよくわからないと言っている。ただ1分半程度の差で西谷選手が追ってきているというのは確実。


源河前の最後の補給所の坂はまだ元気にやり過ごしいよいよ勝負どころの源河。
昨年はアウター(48x21)で上り切ったが今年はノーマルなのでインナーの39に入れてペースを落とさないように踏んばる。
が、、、やっぱり辛い。昨年と同じく2.5kmの上りだがラストの500mほどで失速。逃げている身体には本当に堪える。それも含めてこのレースは面白いし最高のコースだと思うが。


やはり頂上から下り途中に一度ある上り返しも相当失速するが、昨年同様海岸線でペースをつかめればあとはゴールまで踏み倒すだけ、と自分を鼓舞する。
ただ今年は海岸線での風があまりよくなかった。自分の脚にキテいるからそう感じただけだろうか。ギアも昨年より2枚軽い。明らかにスピードが乗らない。
海岸線に出てから移動審判は『源河上り口で後ろと1分半』と教えてくれた。これで勇気が出る。がそれもつかの間。
しばらくすると『後続1名40秒』。武末選手が単独で追ってくる。。。しかもこのタイム差の短縮からするに相当の勢いできているようだ。
もう私に選択肢はないので、ひたすら頭を下げて力が逃げないようにして90回転程度で踏み続ける。


35秒…30秒…どんどんと迫ってくる。けど決して後ろを振り向くまいと決めて集中してぺダリング。
ラスト5kmでは20秒差。


源河で1分30秒と聞いた時は正直勝ったかな、と思ったが、事態は急展開。
ラスト4kmくらいにある最後の上り坂も力を振り絞って上りきる。まだ20秒差。後ろは見ない。
そこからは少し下ってからはゆる〜い下り基調から平坦でゴール。
あと4km。トラック競技でいう個抜きの距離だ。なんて考えながら個抜きやっているような気分で走る。けどそんなに速度は出ていない。


15秒…10秒…7秒…
ラスト2kmで『これで最後だ。5秒差!あきらめるな!!』と。


中立な審判車ではあるが、私の長旅をずっと見守っていてくれて、応援してくれたのはとても嬉しかった。
けど残念ながらそれに応える力が残っていなかった。5秒と聞いてもまだ踏み続けたが、もう後ろに気配を感じる。
そこで初めて振り返って武末選手の姿を見た。
ゴールめがけて突進してくる180cm71kgの大型選手が、私を抜きながら一踏み加速した時、それにつく事ができず、勝負あり。



力を出し切ったし、単独で追走が来ているのを聞いた時も追いつかれた時の展開は微塵も考えずにゴールまで逃げきるしか頭になかったので、しょうがない。
本当に追いつかれた時のことを考えていなかったので、抜かれた時に身体が反応できなかったのかもしれない。



あまりに自分が思っている以上の、想定外のレース展開だったので、良かったのか悪かったのか、いまいちわからないが、一年の最大目標としたレースで勝ちだけを狙って臨んで勝てなかったというのが結果。


また来年、勝ちを取りにいくぞ。


■ レース後 ■


レース後はホテルでシャワーを浴びて着替えて表彰式。



オリオンビール3杯飲んで、豚肉を飽きるほど食べてから井上さんと五郎さんと居酒屋でプチ打ち上げ。
焼酎を1合ゆっくり飲みながら3.5時間くらい話す。


その後今年もまた3回目のなかま食堂にてソーキそば。そこでたまたま片山右京さんと再会したので記念撮影。

右京さんは今年はかなり練習して体重が10kg落ちたそうで、市民200も立派に完走されてました。



ホテルに戻ってからはパインヒルズのN沢さんN崎さんらの部屋にお邪魔して1時まで飲んで長い一日を終えた。


人は酔っぱらうと同じ事を何度も繰り返し言う習性があるらしいが、N崎さんは『やっぱり自転車は見た目だ。カッコ良くないとだめだ』と連呼していた。
同感。