ツールドおきなわ 市民210 レースレポート
いよいよ決戦の日。
4:45起床。宿のかりゆしビーチリゾートの朝食がレース日のみ5時から開けてくれるので助かる。
部屋でつもりでいたけど5時に入れば時間的に問題ないので5時前にレストランへ。
ブッフェなので家から持ってきたシリアルを持ち込んでヨーグルト・フルーツソースとコーヒーの朝食。
カーボローディングをしているので朝食は軽めに。
予定通り6時には車で宿を出ていつもの駐車場へ。
皆さん興味あるであろう補給食。
マグオンジェルx10、小さなまんじゅうx4、沖縄の餅菓子x3を後ろポケットに入れた。
結果残りが上の写真なのでほぼ50%しか食べていない。
長時間のレースでは補給足りなかったら終わってしまうので、いつも保険で多めに持っていく。
今回もスタート前にもし足りなかったら、、と不安になり上記以外にもちんぴん3本を首の後ろに入れて序盤に食べた。
気合い入れつつ、リラックマボトル2本装着でリラックス。大会協賛のサンボルト謹製。
ボトル2本の中身は、1本はいつものBCAAとマグオン顆粒を溶かしたものと、もう1本はポカリスエット。
7:47レーススタート。
いつも通りに先頭付近で時折先頭交代にも加わりながら走る。
本部半島はペースは平和で特に問題なく。
一番ストレスだったのは、せっかく2車線交通規制して使わせてもらっているのに皆いつもの習性か左車線ばかりを走っている事。
350人ものレースで2車線でやるのと1車線でやるのではどっちの方が落車事故多いかは明白。
また最短距離の走行ライン(ワインディングでのアウトインアウト)を走るようにするのは基本なので、それを無意識にできるようにならないといけない。
本部半島終わり海岸線を北上。ここでアクシデント発生。
緊急車両が道路左端に止まっていたために集団が進路変更して右車線に移った際に森本さんが車線中央のコーンに突っ込んで落車。
私は見ていなかったが落車の音がしたので集団のペースを緩める。
このチャンスにあらかじめ声かけておいた選手たちと一緒にトイレストップ。
今年は10名以上でローテーションできたため何の問題もなく集団復帰。
森本さんも怪我をしていながらも一緒の集団で復帰できた。
70km地点から1回目の普久川ダムの上り約6km。ここではまだ勝負はかからないので前方でなるべく脚を使わないで上る。
篠崎選手だったかな?のほぼ一本牽き。
まだ余裕のあるペースだったのでダンシング比率は控えめでクリアできた。
まだライバルの調子どうこうわかるほどペース上がっていない。
下りは危険回避のため先頭で思いっきりペース上げて自分のペースで突っ込む。
奥から辺戸岬の道も淡々と進む。今年は強豪が揃っているため皆が様子見をしている感じ。不気味に静かに進行する。
2回目の普久川ダムまでに固形食及びジェルを頻繁に摂取して後半に備える。
いつも通りに上り口では2番手で上り始める。少しの省エネの積み重ねが大事。
1回目よりは速いと思うけど2回目のダムの上りもペースは上がりきらない。アタックもない。
頂上付近でようやく小さな動きが。井上君が少し抜け出す。
頂上付近で私も追いついて西谷さんと3人になるけど、後続もすぐに追ってきて集団一つのまま。
せっかく活性化させたので山頂の山岳賞を取ったような。
下りは再び先頭で飛ばす。飛ばすとついてくるのは下りをしっかり曲がれる人たちだけなので危なくない。
下りを曲がれない人たちと一緒に走っていて前の人が転んだらどうしようもない。
西谷さんが今回下りで派手に転んでしまったらしい。早期の回復を祈ります。
2回目のダムの上りも終えて補給超えて、まだレースは始まっていない。高江までの長くスピード出る下りも先頭で。
井上君も下り速くかなり飛ばしている。
井上君が下りで最後カッ飛んで高江の上り口には少し先行して突っ込む。
ここで絞り込みたい感じで踏んでいるので私もその動きを利用してきっちりついていく。
アタックって感じではない。このペースで行くぞって走りで、それを利用すればある程度人数絞れるだろうと思うので、ペースメイクは任せる。
武井さんが待ちきれずにアタックするけど、まだ焦ることはないので放置。武井さんも様子見ながらなので、戻ってくる。
この上りは毎年必ずセレクションがかかる勝負どころなので皆そういう気持ちで臨んで頑張ってくる。
私はむしろその後を狙っていた。
難所をクリアして一休みしたいところ、がんばった脚を回復させたいところからレースを活性化させようと思っていた。
緩い、全体的に下り基調のアップダウンなので人の後ろに付くメリットが大きい。だからこそ誰か追わないか?とお見合いになりがち。
何度かアタックがかかる。主に私か武井さん。
その頃にはもう龍太郎も小畑さんも岩島君もいなかったは意外だった。
武井さんと私ではアタックの仕方が違う。武井さんは瞬発力あるのでキレがある。
なので必ず抜け出す事は出来るけどそのまま一人で行っちゃうよ的な走りではないので放置プレーされると潔く戻って次のチャンスを狙う。
呼応する人を誘って一緒に抜け出そうぜ、っていうメッセージを感じるアタック。
私はあえて腰上げアタック風にしないでなんとなくペース上げて少し間が空いたらそのままじわーっと踏んでいくアタック。
お見合いして間が空いたら一人でも行くつもり。
さすがにそう簡単には逃がしてもらえない。やはり井上君が強くて、ペース上げて人数絞ってガンガン行きたい感じ。
そうやってじわじわと攻撃かけて勝負仕掛けるのと逃がすまいと追いかける動きが続き、縦(速度変化)と横(様子見・牽制)の動きが活発な中で井上君の前輪が私の脚と接触してしまう。
前輪の回転で私のふくらはぎの皮膚がえぐれる。私は持ちこたえたが後ろの井上君は前輪取られたので派手に落車。
明らかに一番脚があっただけに大変残念なところでの落車。
前日かなりの強さを見せつけた森本さんはこの辺りで脚が売り切れになってもう居なかった。
レースは何が起こるかわからない。
先頭集団はSHIDOの中尾君、FORZAの新井さん、マツケンさん、清宮さん、武井さん、青木さん、オッティモの選手(河合さん:全く知りませんでした)、原さん、くらいかな?
緩いアップダウンの中で武井さんがアタック。少し間が空く。
データ見るとおそらく残り50kmくらい。
牽制もあるけどなんとなく雰囲気的に皆そろそろ脚にキてそうな雰囲気がした。これは完全に空気感というか第六感というか。
今までとは違い私も下ハン持って緩い上りでダッシュして武井さんにブリッジ。ものの5秒くらいの差なのですぐに追いついた。
けどそのくらいの差なので後ろも近い。当然一列になって追ってるのが見えた。
一人対集団では厳しいけど、武井さんという地脚のあるアタッカーが一緒なのでここは勝負をかける。
ここが本レース一番のターニングポイント。
緩いアップダウンだけど基本的に下り。GOKISOホイールのチョイスが活きる。
武井さんと二人でガンガンに飛ばす。
海岸線に出て向かい風がきつい。モトバイクが後続との差を教えてくれる。14秒、、、
キツイ。キツイけど一踏みで追いつく差ではない。
おそらくここから5秒縮まって一桁になったらダメだろう。
ここで踏ん張って30秒まで行けば可能性が出てきて面白い。
TTのつもりで踏む。不思議なことにタイムトライアルは得意じゃないけど、こういうロードレースの勝負所でのハイペース走はそれなりに得意。
先頭交代の中で武井さんが少し休ませてと言う。
二人の力を最大化させなければいけないので、それなら回復してまた牽いてくれるまで私のペースで牽き続ける。
海岸線の向かい風がきつい。けど風は後ろの集団も一緒だ。
均等に回せば当然人数多い方が楽だけど、キツイ中の向かい風だとローテしたがらない人がいたりしてギクシャクしだすと向かい風だと途端に進まなくなる。
私は自分のペースを守るだけ。
武井さんが牽けなくなるけど、あの集団の中では井上君と同じく動けていた武井さんが厳しいというくらいだから、今日の私はかなり調子良いのかもしれない。
なんてポジティブに考えて差が縮まるまでは踏み続けるのみ。
毎度のことだけど、上りをクリアすると差が広がっている。
やはり後ろの集団もかなり脚にきているんだろう。そうなると実力差が如実に出る。
人数がいても実力差が出て牽けない人が出てくると途端に集団としての威力は半減するのでチャンス。
1分の差までつかないとアドバンテージとは感じられない。
差をつけるなら一気に付けて後続集団に精神的ダメージを与えたいところ。
ここが勝負だと思いエアロを意識して踏み続ける。
実際1分差を超えてから2−3分まで広がるのは早かった気がする。
3分以上差がついたところで後続1名との情報。ゼッケン聞くと清宮さんが単独で追走してると。
これはラッキー。もう後続集団が協調してペースアップできることはないだろう。
もしかしたら3分差を単独で詰めてくるスーパーな走りをしてくるかもしれない。
1対1の勝負だと思い気を引き締める。
これで清宮さんが集団に戻ればもう追走は完全に機能しない。
序盤に補給をしっかりしていたので、集団から抜け出してからは水以外は一切補給なし。
1秒も惜しい。
平地踏んでからの上りや、上り終えてからの下りなどリズムが変わるところで脚が攣りそうになる気配は少しあったけど、攣らないような踏み方でペースを維持して走り続ける。
毎回逃げて勝っているけど、下り〜平地をいかに速いペースで走り続けるかがキーだ。
だからGOKISOをチョイスした。このホイールよりハイペースの巡行が速いホイールはないと思う。
今回も平地でかなり速いペースで踏めていると感じた。
3分以上あったタイム差が一時羽地ダム入り口入る前に2.5分くらいになった。タイム差の推移聞いていると計測誤差な気もしたが、もし本当に30秒短時間で詰まったとしたら、最後の上りで失速したら危ないレベル。
気を引き締めて最後のクライムに。
もはや青息吐息だけど脚攣って失速しなければ十分いけるタイム差なので、気合と根性で上る。
青息吐息と思ったけど、不思議とここを越えるといつもタイム差はかなり広がっている。
今回も後続とのタイム差が大きく広がった。
下ってからゴールまではパンクだけはしませんようにと祈りながら無心で頭を下げて一刻も速くゴールまで、の一心で漕ぎ続ける。
ラスト1kmでようやく力抜いて勝利の余韻かみしめつつ、ゴール。
- データ:5'20"20, Ave 234W, NP 250W, 89.7rpm, 140/175bpm
なんと2位は途中落車で遅れて第二集団で諦めずに走り続けた井上君。
羽地ダムの上りで先頭集団からボロボロと人がこぼれてきて、ゴール前100mで先頭集団の3人に追いつきそのまま気づかれないうちに抜き去って2位になったと。
いかにもトライアスロンっぽい力でねじ伏せる走り。
井上君の落車がなければ展開は結構変わっていただろうな。
3位の河合さん、すみません。まったくノーマークっていうか知りませんでした。
4位の青木さんもまったく事前情報入っていなかったので分からなかったけど、昨年同様きっちり仕上げてきてましたね。
マツケンさんは病気で手術してたとか全然知らなかった。
まぁこんだけ日常生活含め情報すべて赤裸々に公開しているのは私くらいか。
2016年GOKISOホイールは1位、2位獲得。
2015年は1位(高岡)、3位(井上)
2014年は2位(高岡)、3位(森本)
速いの一言に尽きる。
色々色々書く事あるけど(チェーンとか)、やっぱり今回10月3,000kmという練習量を黙認してくれた家族に感謝。
子供3人の世話をいつも見てくれた妻と義理の両親の協力なしでは今回のように100%のコンディションは達成不可能。
色々はまた時間見てアップします。