ツールドおきなわ 市民210
今年もついにきた。ツールドおきなわ。市民レースの最高峰、と自分の中で位置づけている。
今までの戦績:
2006 10位
2007 優勝
2008 2位
2009 2位
2010 5位
2011 優勝
2012 チャンピオンレース 終盤にパンク・完走
2013 チャンピオンレース 7位
2014 2位
2015 優勝
2016 優勝
とまぁ非常に相性の良いレース。コースは最高に楽しくキツイ。
自転車を再開したきっかけであり今後も目標にし続けていきたい『ホビーレーサーの甲子園』。
さて、今年はどうなることか。
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前夜は22時過ぎに就寝。
ぐっすり眠れる気配は全く無いけど、横になって目をつむっていれば少なくとも身体は休まるだろう。
寝付くも1時過ぎに置きてしまう。そして、それから再度深い眠りには入れず、寝ているのか起きているのか分からない状態のまま4:30のアラームが鳴る。
朝食は前日から作っておいたオートミール。
オートミールとスキムミルクを持ってくればお湯さえあればどこでも同じモノが食べられるので。
前日までのカーボローディングが上手くいっているので(ただの食い過ぎか?)、朝食は控えめ。
遠征の時に日程に余裕持って現地入りするといつもの起床後体重測定が出来ないので、体重を気にせずにエネルギー充填出来るのはメリット。
いい加減62kgとか増えた数字見てヨシヨシと思える気持ち的余裕持てても良さそうなもんだけど、乗ると少ない数字を見たい乙女心は直らない。
たぶんカーボローディングしてレース当日は61kg後半にはなっているのではないか。
6時前には会場に到着。まだ暗い。
気温予想は20−24度。
22度程度だったら迷わず長袖、25度超えたら迷わず半袖なんだが、悩ましい天気。
SUNVOLTさんには無理言ってチームジャージのロード用ワンピ(セパレートワンピ)長袖をこのレースまでにせっかく間に合わせて頂いた。
備えあれば憂い無し。けど結局悩んだ末にゼッケン装着は半袖に決定。
スタート前までちょくちょく食料補給して空腹にならぬようにしてトイレで二度目の軽量化して、スタート地点へ。
昨年より少し早い7:27スタート。
先頭からのスタートなのでポジションを下げないように走る。
特にペースは速くないので問題ない。
スタートしてほどなくして数名アタック。ゴローさん追走。
そのまま一気に逃げ集団のペースが上がり逃げが決まる。
集団から一人で抜け出して追いついたポールが最終で、逃げは9名だったらしい。15人くらいいると思ってた。
この動きを見て、ライバルが一人減ったと思った。市民210kmのアーリーアタックは決まらない。
まぁゴローさんらしいといえばらしいが。
後ろは普通に走っていれば必ず後半には捕まえられる。
ただプロのレースのように誰も牽かなくなり20分とか差がついてしまうと、プロのレースのように後半強力に牽引するアシスト役がいないので、厄介だ。
なので集団が止まらない程度に気持ちよく流れるペースで走るのが理想。
チームメートの松尾にその旨伝えてローテーションに入ってもらう。
私は危険回避のポジションで20番手程度を走る。いつもよりは少し後ろめかな。
松木さん、田崎さん、ゲンタ、岩島君、小畑さん、青木さん、などなどライバルたちもやはり前の方で走る。
が、井上君の姿を一度たりとも見ない。今日はなんのメカトラだ?
逃げは海岸線で最大4’40差くらいまで広がる。
まだまだ余裕。上りに入る頃に4分を切る。
海岸線を北上する行程は至って平和で例年よりも極めてペース変動が少なく、誰も全く脚を使わずに走れたのではないか。
普久川ダム上りは3番手で入る。ペースはそんなに速くないが、例年よりキツさ具合がかなり低い。
井上くんもようやく上りで姿を現し生存を確認。
これは意外と調子良いのかもしれない。心拍は160までしか上がっていない。
- 普久川ダム一回目:7.5km 18’30 NP 290.8W Max 160bpm 81.3rpm ダンシング35%
ここまでのライバル観察。
田崎さんは積極的に動いているので調子良いのかもしれないけど、沖縄の後半はそんなに甘くない。多分最後には来ないだろう。
岩島君好調そう。後半まで貯めて走れる人なので注意。
井上君が姿現さないのは、後半勝負にフォーカスしてるからだろう。やはり一番注意。
森本さんは安定の走り。必ず勝負に絡んでくるだろうな。
絶対にゴールまで一緒に行ってはいけない小畑さん・ゲンタも全く余裕そうで不気味。
特にゲンタは走りが上手く、後半に備えて脚をまったく使っていないのがわかる。
実績ある松木さん・青木さんもしっかりと前の方にいる。
頂上でタイム差は2分弱。この上りで1分以上詰めたので、逃げ集団を吸収する事は確定的。
つつがなく一回目のダム上りをこなして下りはいつもどおり危険回避で先頭でかっ飛ばす。
北部回るアップダウンもペースは上がらない。かなりまったりしているけどタイム差は2.5分程度で変わらない。
逃げも同じくらいのペースで走っているのか。
かなりまったりとしているのでここで二回目のトイレタイム。
気温は20度強で、このくらいだと私はほとんど汗をかかないので、水分排出はこちらがメイン。
これで後半に向けた準備は完了。
脚を攣る気配もなく、補給も余裕を持って摂れている。
ここまでで食べた固形物はなんとう餅2つ(←コレはおすすめ)、おにぎり半分、アンパン1。
あとはマグオンジェルを3つほど。
2回めのダム上りからの後半80kmは絶え間なくアップダウンが続きペースが速いので固形物摂っている余裕ないのでジェルのみ。
補給も計画通りに摂れた。
2回目の普久川ダムは先頭で突っ込む。はじめだけ勢いつけて、何人かに抜かれながら自分のペースまで落として上る。省エネ。
岩島くんが飛び出して一人で先行。珍しい。
かなり調子良さそうに上っているけど、さすがにそのまま一人で逃げるほどではなく、森本さん中心にペースを作っていき、途中で吸収。
上り終わりで前はゴローさん先頭で計4名で差は1’20くらい。もはや捕まえたも同然。
- 普久川ダム2回目:7.5km 18’30 NP 282.8W Max 163bpm 75.5rpm ダンシング50.5%
ペースは上がっていない。ダンシング50%でその分ケイデンスは落ちている。
9人逃げはかなりドラマがあったらしいが、まとめるとスタート5kmほどからゴローさん除く8人でローテして逃げ続け、二回目のダムの上りでゴローさん一人になり、高江の上り過ぎで吸収。
そこからいよいよ勝負区間。
いやしかし、数年前なら高江のいわゆる学校坂でペース上げてみるともう10名を切っていたんだが、今年はまだ30名近く?残っている。
皆がこのレースに向けて仕上げてきて、後半の勝負どころに備えて準備しているのがひしひしと伝わってくる。
チームメートの松尾もまだ残っている。まだ限界ではなさそう。
「どうします?」と聞いてくるので「まだ焦らなくても良い」と伝える。
自分たちで積極的にレースを動かして勝ちを狙えるほどの頭数もないしそこまでの脚もない。
コースは長くキツイので必ず終盤になれば必然的に人数は絞られて来るから焦って動かなくても良い。
と頭ではわかっていながら、そうチームメートに伝えておきながら、振り返ってみると一番焦っていたのは自分かもしれない。
一緒にゴールまで連れて行ったら100%スプリントで勝てない選手が複数名いる。
そいつら全員を後半の上りでやっつけないといけない。
進めば進むほどやっつけられるチャンス、つまり上りの数は減っていく。
そう考えると動かざるを得なくなり、何度もジャブを打つ。
井上君も人数絞りたいので一緒にペースアップを図る。
上りでガーンと上げても当然皆ついてくるので、井上君が上げて皆がついてきて一休みしたいタイミングとか、上り終わりで休みたいタイミングとか、色々タイミングを変えてあの手この手で抜け出しを図るもことごとく成功しない。
後で聞いたら、やはりあの散発的なペースアップでかなり脚を削られてキツかった、という声を聞いたので、それなりに無駄ではなかった。
大雑把に言うと、後半のアップダウンでは井上君と私だけがアタックして他全員はついてくる、という構図だったやに記憶している。
下り基調のアップダウンの中、一度だけ下りで小畑さんと二人でタイミング的に上手く抜け出せた時があった。
その時は全力で逃げを試みたが、後ろも緩まず全力で追ってくるのが見えて、長く続かず吸収。
まだまだ20名以上いるか。
追い風基調なようで53x11で下りではもっとギアが欲しかった。54Tってのも今後考えてもいいかな。
終盤まで上りで上げるたびにゲンタと小畑さんがしっかりと反応してきて決して離れないので、いよいよ焦る。
しかしそっちを意識し過ぎるあまり井上君に飛び出されてしまうリスクも考えて最終盤に近づくにつれて慎重になる。
海岸線走っていて、次のちょっとした上りに備えて井上君の後ろについて前に出なかったら、脚止めても誰も前に出ずにスローダウン、というほど全員にマークされる中でのレースとなる。
上りで井上君が上げていくのに注意して、それには絶対に遅れないように走る。
最後の補給所の上りで下からかなり強烈なペースアップ。
こちらもギリギリついていける。脚は攣っていなく今日は攣りそうな気配もない。
このペースアップはかなり強烈で私もキツかったけど、勝負の分かれ目は本当にキツイ局面。
ここで更に前に出て少し上げて勝負をかけてみる。たしか小畑さんもゲンタもまだ居たと思うけど、ここらへんで限界にきたのではないか。
源河との分かれ道過ぎて残り30kmほど。
分かれ道から1kmほどしてから2つ連続する上りの最初のきつくて長い方でやはり井上君がペースアップ。
森本さんもヒルクライマーとしての意地で呼応する。
この頃から自分の捨て身のペースアップで逃げを狙うよりも二人のペースアップに人数絞るのを任せて、自分は少人数に残ってそこからの勝負もアリだなと頭を切り替える。
今まで4回独走で勝ったけど、今回はこのメンバーから一人抜け出して逃げ切るのはムリだ。
けどそれは私のレースの終わりを意味するわけではない。
というちょっとした自信を持てたのが今シーズンのレース活動の成果かもしれない。
二回目の比較的緩い上りでチャンピオンレース女子の先頭を抜かすところがキツさのピーク。
先頭で走っていて失神しそう。ここでアタックされたらヤバイ。たぶん身体は反応するだろうけど。
けど他もキツイのだろう。誰も前に出てこなかった。
ここを超えるとカヌチャベイリゾート前に軽い上りが2つほどあるけど、勝負がかかるほどではない。
ここにきてまだ12名残っている。
一番の危険因子はドラゴン太郎。おい、まだ居るのかよ。。
出来ることと言えば最後の羽地ダムの上りで脱落してくれる事を祈るのみ。
真っ平らな海岸線から内陸に入り羽地ダムへ。ココらへんは皆最後の勝負に備えておとなしくローテーション。
そのスキをついて一人利田さんが飛び出して15秒先行。
不覚にも飛び出した事を知らずに、上り前で「先頭と15秒!」と審判バイクから伝えられた時はえっ?!という感じだった。
ただ単騎の飛び出しなので11名の集団が焦る事はなく。
上り口には吸収して、いよいよ最後の羽地ダムの上りへ。
上り口にハイスピードで突っ込む事はなく、入りは穏やか。
上りに入って落ち着いたところで、やはり井上君が相変わらずのシッティングのままでスルスルとペースを上げていく。
私も井上君しか見ていなかったので、しっかりとマーク。
アタックではなく、ハイペースを続ける。非常にキツイんだが、まだ千切れるほどではない。
トンネル前の少しだけ勾配きつくなるあたりで森本さんが先頭に出る。
しかしコレもアタックと言う感じではまったくなく、若干のペースアップというくらい。
5時間以上走ってのこのバトルのキツイのなんのって。
山の神のペースアップもキレはないのでまだついていける。
トンネルで私の苦手な緩斜面になるので、気を抜かずに離れないように集中。
トンネル抜けて右折してカクっと上るコブもクリア。
まだ誰も攻撃してくる人はいない。
この上りのアタックで人数は絞られて半分くらいになった。
後ろはほとんど確認しなかった。
自分が前方にいて決して遅れない事だけに集中。
三段階で頂上まで、無事に先頭で上りをクリア。
(スプリンタースイッチを装着してからドロップ部を持って上る機会が格段に増えた)
ここで周りを確認。6名。龍太郎が脱落!
せっかく、ようやく最後の上りで少人数に絞られたのが下りで再合併してはもったいないので皆に声をかけてローテを回す。
『後ろから龍太郎来てるから追いつかれないようにローテして!』と発破をかける。
いや、実際龍太郎がどこで脱落してどのくらい離れているか全く見てなかったんだが、、、まぁ後ろから来ているというのはウソではない。
下りで一人追ってきているのが見える。竹芝レーシングの清宮さんだ。
清宮さんと言えば、あまり一緒にロードレースで争ったことはないが、いつかのジャパンカップの集団スプリントで龍太郎を下して優勝したというのを強烈に覚えている。
合流してゴールスプリントとなると非常に厄介なので、再度皆に声をかけて清宮さんが迫っている事を伝え、6名で高速ローテーション回せば一度は千切れた清宮さんが単独では追いつかないだろうと皆に声をかけてローテーションを回す。
そこからゴールまでの道のりは6名で牽制はほとんどなく、佐藤さんが脚攣っているようで何度かローテを飛ばした以外は、かなりスムーズにローテーションを回せた。
おかげで清宮さんは遥か彼方になり、脅威が一つ減る。
後は6名での勝負に集中。ロードレースのゲームをしていると感じる最高に楽しい時間。
53x12-13Tでうまく高速で巡航出来ているこの時間、アドレナリンでまったくキツイなんて思わなかった。
ところで一つ事前の準備不足だったのがJPTで走っている選手のチェック。
6名は松木・佐藤・森本・松下・井上と私だったのだが、VC Fukuokaの佐藤選手となるしまフレンドの松下選手は全く知らなかった。
レース後にJPTの最近のレースで10位以内に入っていた事を知る。
そんなわけで各人のスプリント力を完全に把握していたわけではないが、なんとなく勝算はあると思っていた。
多分スプリントでは勝算ゼロ(と自覚している)の井上君。牽制の合間に飛び出てしまうのだけに注意して、番手につく。
今までの行程見る限り、他の選手がうっかり飛び出してそのままゴールまで踏み切る脚は残っていないと読んだ。
ゴールスプリントは井上君がロングスパートで最初に仕掛けるだろう。私としてもスプリントの距離は長いほど勝算はあるので大歓迎。
ローテーション回したままラスト1kmを切る。井上君先頭。
ここから私は前に出ない。当然ペースは緩む。
後ろからの飛び出しに目を光らせながら井上君のスプリントのタイミングに集中。
たしか自分の後ろでは森本さんが斜めについて待機していたように思う。
ラスト500mくらいから、やはり井上君が最初にスプリントを開始する。
きっちり合わせられて、思ったより速度は出ないのでスリップストリームに入ってしっかり加速の立ち上がりの恩恵を受ける。
データ見るとスプリント開始から10秒ほど速度乗せて後ろについていたようだ。
ラスト200mくらいだろうか、そこから再度踏み込んで渾身のゴールスプリント。
最後50mは失速しないようにもがき続ける。
この時間が非常に長く感じたが、無事後ろからの追い上げを許さずに一着でゴールラインを通過!
最近の練習ではどんなにもがいても850Wくらいしか最大出力が出ていなかったけど、200kmの後のゴールスプリントで846Wだったので上出来か。
2位の松木さんとは0.4秒くらいの差だが、やっぱり怖くてゴールラインを通過するまで手は挙げられない。
バンザイのパーは5勝目を表す。
最高の気分。
このビッグレースで、ゴールスプリントでの勝利というのは全く想定外ではないが、やはり信じられないという気持ちもあった。
↓リザルト
ツール・ド・おきなわ 2017 - 市民レース210kmのリザルト | LAP CLIP
140kmクラスではチームメートの菊川が3位!
これで嬉しさも倍増。
キクの健闘を称える。1001は140km7位のかっちゃん。右は一緒に210kmを走った松尾。
そして一緒に闘った、かつてのイナーメのチームメート達にも祝福される。
ブースを出しているサンボルトやゴキソの方々、応援に来てくれたチームマネージャーのNさん達と喜びをその場で共有できるのも大変幸せ。
本当に多くの皆様に支えられての結果です。
感謝してもしきれません。
禁酒生活6週間の後のオリオンビール。
そして表彰式。
書き足りない事山ほどあるけど、取り急ぎ、レースレポだけ。