RoppongiExpress

Roppongi Express 2.0 - いつかは世界チャンピオンに

 木祖村遠征記 I

金曜夜は早くに寝れず0時過ぎ。5時過ぎの目覚ましで5:30頃出発の予定だったが5時前に自然と目が覚めてしまう。
遠足前みたいな気分。久しぶりのロードレースが楽しみでしょうがない。
けど前日夜移動の昨年は7時間ぐっすり松本で寝てからレース会場入りしたから、やっぱり余裕あれば前日移動が理想だなぁ。


独り高速道を走りながら車中で朝食。遠征のお伴はゴローぷどうパン with honey。


8:30過ぎに現地着。
満載の荷物をイナーメのテントそばにおろしてゆっくりと準備。


TTのスタートは最終で14時19分の私は時間があるので、イナーメのマッサーとしてサポートに来てくれていたカコさんに軽くマッサージをお願いする。
しかしどうもコンディションがおかしい。少し触れただけなのに飛び上がるほど痛い。悶絶しながらも終わったら脚が軽くなるだろうという期待で我慢。
施術も終わりコース試走へ。


【 じっくり試走 】


なんせたーっぷり時間があるので9:40から試走。まだレースまで4時間40分。
走り始めてすぐに脚の調子がいよいよおかしい。筋肉が突っ張ってしまいペダリングができなくなるくらいおかしくなった。
今週は調整といってあまり練習しなかったとか金曜全く乗っていないとか、もう何がなんだか分からなくなってしまったが、たぶん寝不足が一番の原因なんだろうな。
4人ほどで試走していたが、途中でペダリングできなくなったので脚を止めて先に行ってもらい、ポタリングペースに。
まだ時間はあるから焦るな焦るな、と言い聞かす。


2周目もほんとにゆっくり。けど1周目よりは少しだけペダリングできたかな。
コースを入念にチェック。
どこがノーブレーキで突っ込めるか、どこまでエアロバー握ってイケるか、どのコーナーでブレーキが必要か、どのくらいブレーキするか、コーナーのラインどり、どの上りはダンシングで駆け上がるべきか。全て確認。
しかしサイクリングペースではコーナリングが正確に分からないので、3周目・4周目はできるだけ下りでスピードに乗せてラインどりを確認。4周でほぼ完全に頭に入った。
1周8.2kmほどだからこの時点でもう1時間20分以上。


今回ラスト出走だったので、すぐ次に控えるロードレースのスタート時間までの時間が短い(特に表彰式出れば)という不利な点はあったけど先に出走したチームメートからアドバイスを得られるいう有利な点もあった。
先にゴールしたイナーメの橋本君からもらったアドバイスがとても役に立った。
後半右コーナーを抜けてダムを横断し再び右コーナーでダムの反対側の道路へ入るのだが、普通に考えたらアウト-イン-アウトで二つの右コーナーの間の直線は左端を走る事になるが、道路の左側はダムの下になり大きな谷なっている。
谷から吹き上げる横風が強烈で煽られて走りにくいのでこの直線路は右側走るのが正解。


【 ウォーミングアップ 】


12:40過ぎからローラー台でウォーミングアップ。12分で終わるレースなのでアップの重要性は極めて高い。
しばらく流してから徐々にL3レベルに上げていく。なんとなく220W越えたくらいから計測開始。
5分で290Wくらいまで上がっていく。グッと負荷を上げて100回転強から80回転くらいまで一度落ちる。
1分くらい200〜220Wくらいに落ちたが、そこからまた上げていきラスト1分くらいは300Wいったかな。

  • アップ10分:265W、166拍、100回転


そこからレストは20分。緊張しながら。
短いレースなので一度アップで限界域まで上げてしばらく我慢するくらいの走りをしないとスロースターターの身体は準備できない。
なので5分頑張る。けどここでの数値見て残念ながらダメな時はスタートする前からそれが分かってしまう。
だから緊張して20分も回してしまった。
ウォーミングアップ終了の時間から逆算するとここでやらねば、という時間に気合入れてスタート。


320〜330Wくらいで5分は続かないとダメだろうと思っていた。入りは350W以上。
良い数字だけどなんとか維持できそうな感じなので、それでひたすら粘る。心拍はぐんぐん上がっていく。
けど集中力はあり、5分間はイケるぞと思っていた。っていうか絶対にイクぞ、と。
データ的にはラスト1分少し落ちたけど、上出来。TT走る準備は整ったと思えるくらいの数値が出せた。

  • アップの仕上げ:5分、356W、175拍(MAX185)、93回転


心拍185まで上がったのは今年最大かな。お正月のもてぎのゴールスプリントを上回った。



満足のいくウォーミングアップを終えて後は軽く脚をほぐしてもらってスタートするのみ。
ここまでで66kmくらい走っているか。
安堵感と寝不足から、軽くマッサージしていただきながらうたたね。
ちょっとこれで余裕がなくなりあわてて15分前のサインへGO。
ここまで準備万端だったのに、最後にあわてたおかげで忘れ物。
せっかくのお気に入りアイテムのエアロシューズカバーを忘れる。
忘れるというか、実際は出発前に気づいたけど、それを取り出して装着して、、と焦るのが嫌なのでシューズカバーなしで心に余裕を持つことを選択。


15分前にサインを済ませてあとはスタートを待つ。


【 個人TT / Data 】


レースはうまく走れた。コース取りは問題なく、2年前のようにオーバースピードでおっとっとはなかった。
予定通り上りはギアを軽めのダンシングにして下りでどんどんギアを上げてスピードに乗せてコーナーでなるべくスピード殺さないようにして走る。
まぁこうして書いてみると、全て速く走るのに当たり前のことだけど、、


やっぱり完全なるスロースターターな私としてはスタート後5分くらいできつくなる。
そしてすごく喉が渇く。しかし12分のTTでボトルに手を出したら負けだ。と思いそもそもボトルなしで走っている。
このギリギリレベルをどこまで続けられるかが勝負。集中力では負けないように。


パワーも心拍もケイデンスもスピードもタイムも、何一つ一度も見なかった。
ただただペダリングとラインどりに集中。


ダムを横断する開けたところで前走者のO-vestオハラ選手との差を確認。思ったより縮まっていない。
けど横断してからゴールまでの上り基調がよく走れたと思う。
ゴール前500mは当然下からずっとダンシング。予定通りアウターで回し切れた。



(photo:cyclowiredより)


ゴールしてメーターのストップボタンを押したら11分40秒台だったので、勝っただろうと思えた。
最終走者だったのですぐに結果が分かったのも気持ちよい。

  • 11分45秒、302W、173拍(MAX181拍)、96回転


Norm Powerでは321W。


【 機材 】


直線・長い下りがないので11Tは不要。23Tまであれば最後の上りもアウターでいけるので12-23Tを使用。
18Tは是非ほしいところ。


ホイールは後輪Lightweight Disc (772g)と前輪は同VR8(667g)。
この組み合わせは最高。
ディスクに関しては他社製品比で重量面のメリットが大きい。多少重いけど回りだすと速い、という一般的なディスクホイールの性格ではない。
かかりは普通で速度乗ると速い。
VR8はTT用前輪としては現在最強だと思う。52mmのリムハイトはBORA以上に横風で走りにくいことはない。しかもスポーク数は半分の8本。
どうしても見た目的に不安になるが、すくなくともTTの走りではまったく問題ない。
同じ見た目ながら、Standard G3の前輪がスポーク16本で450g程度なのに対してVR8はスポーク8本なのに重量667g。つまりそれだけリムで剛性を出している。
とにかく風があっても全然気にせず走れるTT用ホイールってこれをおいてないと思う。ってほど気に入った。


タイヤはContinental Competition 19Cを前後に。空気圧は8気圧。これでコーナーもぜんぜん問題なし。


あとはDi2。木祖村の常にカーブと小さなアップダウンが続くコースでもペダリングのみに集中できる。



設備投資も活きた快心のレース。
ピュアに肉体鍛え上げた成果のみを競い合うのがスポーツの王道としたら、機材競技なもんで疑問の声もあるかもしれないが。
ま、自転車競技は体力測定的側面よりもゲーム性が高いのが面白いと思うし、機材選択も大事な楽しみの一つという事で。


もちろん身体鍛え上げないと勝てないという大前提は忘れてません。



【 午後:ステージ1 ロードレース 】


TT後にすぐ表彰して、リーダージャージに用意しておいたチームネームを縫い付けてゼッケンつけ直して、軽くマッサージして、、、
あわただしく15:30のスタートを迎える。


ところで最終走者だったもんで、全力を出し切り181拍でゴールした直後に表彰されたんで正直脚の筋肉的にはキツかった。
自転車降りたとたんにスネとか変なところを攣りそうになる。
テントに戻ってカコさんにまたマッサージしてもらうが、どうも筋肉の様子がおかしくなって治らない。
まぁ気合入れて集中して走って結果は残せたけど、よく考えたら短い時間に負荷かける練習をまったくしていなかったので、いきなり限界まで追い込んで筋肉がビックリして痙攣したという至極当たり前な現象だったと思う。



そしてスタート。作戦的には序盤のアタックには橋本君にチェックしてもらい、中盤はまこっち・セイゴに頑張ってもらい、最終局面までゴローさんには一緒にいてほしいな、って思っていたが、何一つ実現せず。現実は厳しい。


まず私は1周目から脚がおかしくて脚を攣っている。
そんな中でも逃げを試みるアタックが繰り返される。
ことごとく反応して潰してくれるのはゴローさんのみ。やっぱりレースをコントロールできるチーム力ってのはかなりレベルが高くならないとムリだな。
個人的には脚攣っていてついていくのがやっとなので早いとこ無難な逃げが決まって集団が落ち着いて、後半勝負になってくれと願うのみ。
しかし中盤で結果的に総合上位に入る強豪の逃げが決まる。人数がけっこう多くて後の集団を引くチームがなくなってしまったのも誤算。
自分の脚がない以上他力本願のそれこそ運任せのレースしかできない時点で負け。


後のメイン集団を引くインセンティブがあるチームがいないので脚が止まる。私はあまり差を広げたくなくて、後半に勝負がかかれば追いつく差にしたけど、そう思うのは独りだけでは何もできない。
あまりにもスピードが落ちると前に出て集団のペースを作るが、同調する人はおらずレースは終わってしまう。


残り1周はアクアタマがチームでペースアップするが、既にタイム差は2分以上あったので絶望的。
私は諦めてついていくのみ。
前の集団は4名が先行しているようで、そのうち2名の京産大がワンツー。
他10名ほど?の先行集団をラスト2kmくらいで視界にとらえる。
ラスト500mの上りでバラバラと先行集団から遅れた選手を追い越しながらゴール。
メイン集団の中ではFUJIのまちゃーき選手に抜かれて2番手でゴール。
残り2周でメイン集団から抜け出し単独で逃げ集団を追って順位を上げたよっしーには1秒届かず、の9位でゴール。


見事に前で展開して逃げ切ったトップの京産大の学生から1.5分くらい遅れて、総合でも大きく順位を落とす。


レース展開とかチームメートが云々ではなくて、スタート直後から自分で動ける脚がなかったから負けただけ。
残念。
一日で天国と地獄を味わった。


            1. +

宿での夕食ではゲンをかついでビールを少し飲む。
昨年はしっかり食べて飲んで、翌日勝ったし。


しかし今年はビックリするくらい食欲がない。食べるのが苦しいけど夕飯を一生懸命食べている感じ。
今日は150km以上走っているので、それでも最低限食べて明日に備える。


マッサージをしてもらいゆっくり寝るはずが、なかなか寝付けず。
寝たり起きたり、熟睡できないまま朝まで。
何かがヘンだ。こんなに疲れているのにぐっすり眠る事ができない。